なぜ法改正が必要になったのか
全国のマンションストックは約713万戸にのぼり、このうち築40年以上のものが2割を超えています。2044年にはその数がさらに大きく増える見通しです。建物の老朽化に加えて住人の高齢化も進み、管理組合の理事や修繕委員会の担い手不足、所在が分からない所有者の増加によって、総会の決議そのものが難航するケースが目立ってきました。建て替えには区分所有者の5分の4以上の同意が必要ですが、費用負担の重さもあって、実際に建て替えが実現した例はごくわずかにとどまっています。
何が変わるのか
改正のポイントは大きく3つです。
- 耐震性や防火性の不足など一定の事由があるマンションは、建て替え決議の多数決要件が「5分の4」から「4分の3」に緩和されます
- 裁判所が認定した所在不明の所有者を決議の母数から除外できるようになり、集会決議が円滑になります
- これまで全員同意が必要だった建物・敷地の一括売却や取り壊しについても、多数決による決議が可能になります
糟屋郡で気をつけたいポイント
分譲マンションを相続した、あるいは住み替え先として検討している場合は、次の点を早めに確認しておくと安心です。
- 管理組合の総会議事録や修繕積立金の積立状況
- 修繕履歴や今後の修繕計画(重要事項調査報告書で確認できます)
- 駅からの距離や周辺エリアの需要(一括売却は買い手がつかなければ成立しないため、立地によって選択肢の幅が変わります)
法改正によって決議はしやすくなりますが、それだけで管理や資金の課題がすべて解決するわけではありません。制度の詳しい適用条件や手続きについては、管理組合や国土交通省、法務局など専門窓口にご確認ください。
まとめ
2026年4月の法改正で、老朽化マンションの建て替えや一括売却の決議は進めやすくなります。ただし、恩恵を受けられるかどうかは管理の状態や立地によって差が出やすく、相続や住み替えで分譲マンションに関わる際は早めの情報収集が肝心です。