実家を相続したけれど住む予定がない、修繕もしていない——そんな空き家をお持ちの方から「そのままにしていると税金が上がるって聞いたけど本当ですか」というご相談を、糟屋郡でもよくいただきます。今回は、その仕組みを整理してご紹介します。
そもそも「住宅用地の特例」とは
住宅が建っている土地は、固定資産税の計算上「住宅用地の特例」という軽減措置を受けられます。更地に比べて、税額が大きく抑えられている状態です。つまり、家が建っているだけで、実は税金面で優遇を受けていることになります。
なぜ「空き家のままだと税金が上がる」と言われるのか
この特例は「住宅として使われている土地」であることが前提です。そのため、
- 家を解体して更地にした
- 自治体から「特定空家等」に指定され、勧告を受けた
といったケースでは、この特例の対象から外れ、結果として固定資産税の負担が増えることがあります。「空き家を解体すると税金が上がる」と言われるのは、多くの場合この特例が外れることを指しています。
「特定空家等」に指定されるとどうなるか
倒壊のおそれや衛生上の問題など、周囲への影響が大きいと自治体が判断した空き家は「特定空家等」に指定されることがあります。指定後も改善されない場合、勧告・命令といった段階を経て、特例の対象から外れたり、最終的には行政代執行の対象になることもあります。
糟屋郡でも、空き家の管理状態について自治体から連絡が入るケースは実際にあります。「まだ大丈夫だろう」と後回しにしているうちに状況が進んでしまうことも少なくありません。空き家の放置リスクについてはこちらのコラムでも詳しくまとめています。
空き家をどうするか、考えられる選択肢
放置のリスクを踏まえたうえで、実際に選ばれることが多いのは次のような選択肢です。
- 売却する:住む予定がないなら、早めの売却で税金・管理の負担そのものをなくす
- 賃貸に出す:人が住むことで、特例の対象を維持したまま活用する
- 管理を委託する:遠方に住んでいて自分では手が回らない場合、定期的な巡回・清掃だけを依頼する
- 減築・分筆して活用する:家が広すぎる場合は、一部を減築したり土地を分けて活用する方法もある。減築・分筆・有効活用の詳しい内容はこちら
- 空き家バンクに登録する:売る・貸すを決めきれない段階でも、移住希望者などに情報を届けられる制度。「空き家バンクをご存知ですか?」のコラムで詳しく解説しています
なお、老朽化が進んで解体を選ぶ場合は、解体後1か月以内の「建物滅失登記」も忘れずに行う必要があります。「建物滅失登記」の基礎知識もあわせてご参照ください。
まとめ
「空き家をそのままにしておく」ことが、必ずしも一番安全な選択とは限りません。特例が外れる条件や、特定空家の指定基準は自治体によって運用が異なるため、詳しい判断は町の窓口や税理士等にご確認いただくのが確実です。
まずは今のご実家がどの状態にあるのか、一度整理してみることから始めてみてください。相続や空き家の活用についてのご相談は相続相談ページもあわせてご覧ください。