盛土規制法とは

正式名称は「宅地造成及び特定盛土等規制法」、通称「盛土規制法」です。2021年に静岡県熱海市で起きた土石流災害をきっかけに、危険な盛土・切土・土砂の一時堆積を全国一律の基準で規制するために2023年5月に施行されました。

これまでも宅地造成等規制法という似た法律はありましたが、対象が市街地の宅地造成に限られていました。盛土規制法では対象が農地や森林にも広がり、都道府県などが「規制区域」を指定して、区域内での盛土・切土・土砂の堆積に許可を必要とする仕組みに変わっています。

糟屋郡も規制区域の対象に

福岡県では、北九州市・福岡市・久留米市を除く区域について、令和7年10月1日から規制区域の指定と運用が始まりました。糟屋郡の7町村もこの対象に含まれます。

規制区域には「宅地造成等工事規制区域」と「特定盛土等規制区域」の2種類があり、山や谷を切り開いた造成地はもちろん、一見平坦に見える土地でも、過去の造成の経緯によっては区域に含まれていることがあります。篠栗町や久山町、宇美町のように丘陵地を抱えるエリアだけでなく、糟屋郡全体で「うちの土地は関係ない」と決めつけない方がよさそうです。

売買のときに変わること

規制区域内で一定規模以上の盛土・切土・土砂の一時堆積をする場合は、都道府県知事等の許可が必要になりました。あわせて、不動産取引の重要事項説明の対象にもこの制度が加わっています。売買の際には、対象区域に該当するかどうか、過去の造成工事の許可状況、土地所有者に課される維持管理の義務などを、仲介業者から説明することになります。

土地や実家の売却をお考えの場合は、契約直前になって慌てないよう、早めに自治体の窓口やハザードマップで区域の該当有無を確認しておくと、その後の手続きがスムーズです。

所有者にも「維持管理」の責任が

規制区域内の土地の所有者・管理者には、盛土などが崩れて災害を引き起こさないよう、常に安全な状態を保つ努力義務が課されています。特に、長年手入れをしていない空き家・空き地の造成地は注意が必要です。台風シーズンや大雨のあとは、法面や擁壁にひび割れ・膨らみ・水のしみ出しがないか、遠目からでも構いませんので確認しておくと安心です。空き家の管理全般については「空き家管理のリスクと対策」もあわせてご参照ください。

まとめ

盛土規制法により、糟屋郡でも令和7年10月から、土地の扱いに新しいルールが加わりました。売買はもちろん、相続で受け継いだ土地についても、「規制区域に該当するかどうか」を早めに把握しておくことが、将来のトラブルを避ける第一歩になります。区域指定の詳細や許可の要否については、福岡県の担当窓口や専門家に確認されることをおすすめします。

実家や土地の売却をご検討の際、規制区域の確認も含めてどう進めればよいか迷われたら、oota不動産の「かんたん無料査定」やお問い合わせから、お気軽にご相談ください。