相続放棄とは

相続放棄とは、被相続人(亡くなった方)の財産をプラスもマイナスも一切引き継がない手続きです。預貯金や不動産などのプラスの財産だけでなく、借金などの負債も含めて、最初から相続人ではなかったことになります。

似た制度に「限定承認」がありますが、こちらはプラスの財産の範囲内で負債を引き継ぐ仕組みで、相続人全員の合意が必要など手続きが複雑なため、実際に利用されるケースは相続放棄に比べて多くありません。

なぜ過去最多に?

最高裁判所の司法統計によると、相続放棄の件数は令和元年から5年連続で過去最多を更新し続けています。背景としてよく挙げられているのが、使う予定や売却のめどが立たない土地・建物、いわゆる「負動産」を引き継がずに済ませたいという動きです。

草刈りや固定資産税の負担が続くだけの山林、老朽化した空き家、買い手のつきにくい郊外の土地など、糟屋郡でも同じような背景を持つご相談は少なくありません。

相続放棄で注意しておきたいこと

相続放棄を検討する際は、次の点に注意が必要です。

  • 期限は「自分が相続人になったと知った日から3ヶ月以内」で、家庭裁判所への申述が必要です
  • 期限内に判断できない事情がある場合は、家庭裁判所に期間伸長の申立てができる場合があります
  • 遺産の一部でも使ったり処分したりすると「単純承認」とみなされ、相続放棄ができなくなることがあります
  • 相続放棄をすると、次の順位の相続人(兄弟姉妹など)に相続権が移る場合があるため、事前に一言伝えておくと後々のトラブルを避けやすくなります
  • 不要な土地だけを放棄して、預貯金だけ受け取るといった選択はできません

なお、放棄した不動産であっても、次の管理者が決まるまでは一定の管理責任が残るケースがある点にも注意が必要です。使う予定のない土地を国に引き取ってもらう別の選択肢については「相続土地国庫帰属制度」のコラムもあわせてご参照ください。

まとめ

相続放棄は、負担の大きい不動産を無理に抱え込まずに済む有効な手段ですが、期限が短く、一度成立すると原則として撤回できません。「本当に放棄していいのか」「他に活用や売却の道はないのか」は、財産全体を確認したうえで判断することが大切です。詳しくは、専門家(弁護士・司法書士)や家庭裁判所の窓口にご確認ください。

oota不動産では、相続放棄を検討する前の「そもそもこの不動産に値段がつくのか」という段階からのご相談も承っています。かんたん無料査定相続相談も行っておりますので、判断に迷われたらお気軽にお問い合わせください。