ブロック塀が危険になるのはどんなとき

ブロック塀は、年月とともに劣化します。古い塀は、鉄筋が入っていない、基礎がない、控え壁(塀を支える壁)がない、高さが高すぎるなど、今の基準を満たしていない場合もあります。2018年(平成30年)6月の大阪府北部地震で、ブロック塀が倒れて通行人に被害が出たことを受けて、国土交通省は、既存の塀の安全点検のチェックポイントを示しました。

地震や強風で倒れると、通行人や隣家に被害を与えるおそれがあります。民法の「工作物責任」(第717条)では、塀などの「土地の工作物」の設置や保存に欠陥があって他人に損害を与えた場合、まず占有者が、占有者に過失がなければ所有者が、賠償する責任を負うとされています。ブロック塀も、この「土地の工作物」に当たります。空き家のように、住んでいる人がいない場合も、所有者として責任を問われる可能性があります。工作物責任については「管理が行き届いていない空き家、屋根が飛んだら誰の責任?」もご参照ください。

自分でできる簡単チェック

国土交通省のチェックポイントでは、まず外から見て、次の5つを確認します。ひとつでも当てはまらないものがあれば、危険なので、改善するとされています。

  • 高さ:地盤から2.2m以下か
  • 厚さ:10cm以上か(高さが2mを超え2.2m以下の場合は15cm以上)
  • 控え壁:高さが1.2mを超える塀で、長さ3.4m以下ごとに、塀の高さの5分の1以上突き出した控え壁があるか
  • 基礎:コンクリートの基礎があるか
  • 傷み:塀に傾き、ひび割れ、ぐらつきがないか

このほか、塀の中に、直径9mm以上の鉄筋が、縦横とも80cm以下の間隔で入っているかも基準ですが、外からは見えないため、専門家の確認が必要です。ひとつでも当てはまらない場合や、分からないことがある場合は、専門の業者や建築士に点検を依頼することをおすすめします。

補修・撤去の選択肢

状態によって、補修で済む場合もあれば、撤去して、フェンスなど軽いものに替えるほうが安心な場合もあります。

糟屋郡でも、危険なブロック塀等の撤去費を補助する制度が、町ごとにあります。福岡県の「ブロック塀等撤去促進事業」は、通学路や避難路等に面する、高さ1m以上の危険と判断された塀の撤去費を、国・県・市町村が一体で補助する事業で、宇美町・篠栗町・志免町・須恵町が窓口として案内されています。新宮町にも、町の撤去費補助があります。たとえば志免町では、通学路や避難路などの道路に面した、高さ1m以上の塀で、「ブロック塀等の診断カルテ」の評価が40点未満のものについて、撤去費の2分の1(上限12万円)が補助されます(同じ敷地で1回のみ。撤去後に塀を新しく築く費用は、対象外です)。

共通する注意点は、町の事前の現地診断などで、補助の対象と判断されることです。補助金の交付が決まる前に、工事の契約や着工をしてしまうと、対象外になります。対象や金額、条件、受付期間は、町ごとに異なり、年度ごとに変わります。粕屋町・久山町を含め、必ず事前に、町の窓口(志免町・篠栗町・須恵町は都市整備課、新宮町は地域協働課、宇美町は管財課など)にご確認ください。

空き家・実家の場合に気をつけたいこと

普段お住まいでない実家や空き家は、塀の劣化に気づきにくく、台風や地震のあとも状況を確認できないことがあります。帰省のたびに、建物だけでなく、塀や外まわりも一緒に確認する習慣をつけておくと安心です。加入中の火災保険や賠償責任の補償が、塀の被害に使えるかどうかも、保険会社や代理店に確認しておきましょう。空き家の保険については「空き家の火災保険」もご参照ください。

まとめ

ブロック塀の点検のポイントは、「高さ・厚さ・控え壁・基礎」の基準と、「ひび・傾き・ぐらつき」を見ること、気になる場合は専門家に相談すること、そして町の補助制度を、工事の契約の前に確認することです。実家や空き家の塀・外まわりのことでお困りの方は、oota不動産の空き家管理のご相談(管理のみのご依頼も可能です)や、お問い合わせもお気軽にご利用ください。

※本文は、国土交通省のチェックポイント、民法の条文、福岡県や各町の公表情報に基づく一般的な内容です。補助制度の内容や受付期間は、年度ごとに変わります。最新の情報は、各町の窓口にご確認ください。

この記事の監修
太田 秀一郎
株式会社oota不動産 代表取締役/宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士

糟屋郡を中心に、不動産の売買・賃貸・管理・相続のご相談をお受けしています(宅地建物取引業 福岡県知事免許(1)第20299号)。詳しくは代表の思い・会社概要をご覧ください。