「教育資金の一括贈与」とはどんな制度だった?
2013年に創設された制度で、祖父母や父母から30歳未満の子や孫へ、金融機関を通じて信託等の方法でまとまった教育資金を贈与すると、最大1,500万円(学校等以外の習い事等は500万円まで)が非課税になるというものでした。「元気なうちに、まとめて孫のために使ってあげたい」というニーズに応える形で、多くのご家庭に利用されてきました。
なぜ2026年3月末で終了したのか
令和8年度税制改正大綱では、この制度を延長せず終了させる方針が明記されました。制度創設から10年以上が経過したこと、高校無償化など教育費の負担軽減策が進んだこと、NISAの拡充など資産形成の代替手段が整ってきたことなどが背景にあるとされています。
すでに契約している分はどうなる?
2026年3月末までに信託口座等へ拠出済みの資金については、制度終了後も非課税措置の対象として引き続き使うことができます。新規の口座開設や、既存口座への追加拠出だけができなくなった形です。ただし、受贈者が30歳に達した時点などで使い切れずに残った残額には贈与税が課税される取扱いは従来どおりですので、資金の使い切りタイミングには注意しておきたいところです。
これから教育資金を援助したい場合の選択肢
一括贈与ができなくなった後も、教育資金を援助する方法がなくなったわけではありません。
- 暦年贈与:年間110万円までの非課税枠を使う方法。相続開始前の加算期間が7年に延びている点は、以前のコラムでもご紹介したとおりです
- 都度贈与:入学金や授業料など、必要な都度、必要な金額を渡す方法。従来から非課税とされており、今後も有効な手段です
- 相続時精算課税制度や住宅取得資金贈与など、他の制度と組み合わせて活用する方法
ご家庭の資産状況や、援助したいタイミングによって向き不向きがあります。相続時精算課税制度については「相続時精算課税制度」の基礎知識、住宅取得資金贈与については「住宅取得資金贈与」の非課税制度もあわせてご参照ください。
まとめ
「教育資金の一括贈与」が終了したことで選択肢が失われたわけではなく、暦年贈与や都度贈与など、これまでもあった方法をどう組み合わせるかが、これからのポイントになりそうです。贈与税や相続税の取扱いは今後の改正でも変わる可能性がありますので、具体的な金額や時期を検討される際は、税理士や税務署に確認いただくことをおすすめします。
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