管理費と修繕積立金は何が違う?
どちらも毎月、所有者が管理組合に支払うお金ですが、使い道が異なります。
- 管理費:共用部分の清掃、エレベーターの保守点検、共用部の電気代、管理会社への委託費など、日常の維持に使われます
- 修繕積立金:外壁・屋上防水・給排水管などの、大規模修繕に備えて積み立てるお金です
ローンの返済とは別に、毎月かかる固定費ですので、資金計画には必ず含めて考えましょう。購入時にかかる費用は「家を買うとき、物件価格のほかにいくらかかる?『諸費用』の基礎知識」をご参照ください。
「今の金額が安い」だけで判断しない
修繕積立金には、大きく分けて2つの積み立て方があります。
- 均等積立方式:将来にわたって、一定額を積み立てる方式
- 段階増額積立方式:最初は低めに設定し、数年ごとに段階的に引き上げる方式
段階増額方式の場合、購入時の金額が低くても、将来の値上がりが計画に組み込まれていることがあります。国土交通省の「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」は、段階増額積立方式や、修繕のときに一時金を集める方式など、将来の負担増を前提とする方式は、増額しようとするときに、区分所有者の間で合意形成ができず、積立金が不足する事例もあるため、将来にわたって安定的に積み立てる観点では、均等積立方式が望ましい、としています。新築マンションは、段階増額積立方式のものがほとんどです。ただし、均等積立方式であっても、長期修繕計画の見直しで、増額が必要になることがあります。
同じガイドラインには、専有面積1㎡あたりの、修繕積立金の月額の目安も示されています。たとえば、地上20階未満で、マンション全体の延床面積が5,000㎡未満の場合、計画期間全体の平均で、335円(事例の3分の2が含まれる幅は235円〜430円)です。専有面積が70㎡なら、平均で月に約2万3,000円の計算です。ただし、規模や階数によって目安は異なり、機械式駐車場の分は含まれません。あくまで目安であり、義務ではありません。購入しようとするマンションの積立額が、目安より大きく低い場合は、将来の増額や一時金の可能性を、確認する材料になります。
購入前に確認したい書類とポイント
不動産会社を通じて、次の資料を確認できます。契約の直前ではなく、購入を申し込む前に見せてもらうのがおすすめです。
- 重要事項調査報告書:管理会社が作成する書類で、管理費・修繕積立金の月額、積立金の残高、滞納額、管理組合の借入の有無、大規模修繕の実施履歴などが分かります。宅建士が契約前に説明する「重要事項説明書」とは、別の書類です
- 長期修繕計画書:今後の工事予定と費用の見込み、積立額の今後の見通しが分かります。計画期間が30年以上あるか、収支のグラフで積立金の残高がマイナスになる年がないかも確認しましょう
- 修繕履歴:過去の大規模修繕が、いつ、どのように行われたかを見ます。大規模修繕工事は、おおむね12〜15年周期が目安とされ、築年数に対して、適切な時期に行われてきたかが分かります
- 総会の議事録:値上げや一時金の議論が出ていないかを見ます
- 管理費・修繕積立金の滞納状況:滞納が多いと、必要な修繕が進まないおそれがあります
特に、「修繕積立金が、計画に対して不足していないか」「過去に一時金を集めたことがあるか」は、将来の負担を考えるうえで、大切な確認点です。マンションの建物の状態や、購入時の注意点は「中古住宅購入の注意点」も、老朽化したマンションの将来については「老朽化マンションの建て替え」もご参照ください。
戸建てにも「修繕の積立」は必要です
マンションは、管理組合が、修繕積立金を計画的に積み立てますが、戸建ての場合は、屋根・外壁・給湯器などの修繕費を、自分で備える必要があります。「マンションは毎月の支払いが多い」「戸建ては少ない」と単純に比べるのではなく、長い目で見たトータルの維持費で、比べてみることをおすすめします。
まとめ
- 管理費は日常の維持、修繕積立金は将来の大規模修繕のためのお金です
- 購入時の金額だけでなく、積立方式と、今後の値上がりの見込みを確認しましょう
- 重要事項調査報告書・長期修繕計画書・修繕履歴・総会の議事録は、購入前にチェックしたい資料です
- 戸建てを含め、住まいの維持費は、長い目で比較しましょう
具体的な金額や制度の運用は、マンションごと・自治体ごとに異なります。詳しくは、管理会社・専門家にご確認ください。oota不動産では、糟屋郡での中古住宅・マンションのご購入に関するご相談(購入のご相談)や、資料の見方のご説明も承っております。お気軽にお問い合わせください。
※本文は、国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」などに基づく一般的な内容です。金額の目安は、規模や階数、計画によって異なります。詳しくは、管理会社や専門家にご確認ください。