これまでの「証明書方式」とは
これまで住宅ローン控除を受ける方は、初年度に確定申告を行い、2年目以降は勤務先の年末調整で手続きをするのが一般的でした。その際に必要だったのが、借入先の金融機関から毎年秋ごろに送られてくる「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」です。この証明書と、税務署から届く「住宅借入金等特別控除申告書」をあわせて勤務先に提出することで、控除が適用される仕組みでした。制度の基本的な考え方は「住宅ローン控除の基礎知識」もあわせてご参照ください。
新しく始まった「調書方式」への移行
令和4年度の税制改正により、金融機関が借入者の年末残高情報を直接税務署へ「年末残高調書」として提出し、国税当局を通じて納税者に情報が提供される「調書方式」への移行が進んでいます。この方式に対応した金融機関から借り入れている場合、以前のように紙の証明書を自分で受け取り、大切に保管して勤務先や税務署に提出するという手間が省ける可能性があります。
ご自身が対象かどうかの確認ポイント
調書方式が使えるかどうかは、借入先の金融機関が対応しているかどうかによって異なります。目安として、以下のような点を確認しておくと安心です。
- 借入先の金融機関が調書方式に対応しているか(金融機関のウェブサイトや窓口で確認できます)
- 対応している場合、金融機関へ「住宅ローン控除の適用申請書」の提出やマイナンバー・e-Taxの利用者識別番号の登録が必要になる場合があること
- 対応していない金融機関の場合は、引き続き従来どおり紙の証明書が送付されること
制度の移行期にあたるため、金融機関によって対応状況に差があるのが実情です。「証明書が届かないから控除が受けられなくなった」というわけではありませんので、慌てずに借入先へ確認いただくことをおすすめします。
今のうちに準備しておきたいこと
- 借入先の金融機関から案内や通知が届いていないか、郵送物やメールを再確認する
- 例年届いていた証明書が見当たらない場合は、金融機関のコールセンターや窓口に問い合わせる
- マイナポータルとの連携を希望する場合は、事前の登録手続きが必要になることがあるため早めに確認する
- 中古住宅を購入された方は、住宅ローン控除の適用要件(築年数や耐震基準など)自体も改めて確認しておく
中古住宅の住宅ローン控除の拡充内容については「中古住宅の住宅ローン控除、新築より有利になった?」のコラムもあわせてご参照ください。
まとめ
住宅ローン控除の手続きは、紙の証明書をやり取りする「証明書方式」から、金融機関と税務署の間で情報がやり取りされる「調書方式」へと少しずつ移行が進んでいます。制度の詳細や個々の適用可否については税制改正の影響も受けやすい分野ですので、詳しくは国税庁や税務署、顧問税理士など専門家・窓口への確認をおすすめします。
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